史上最多受賞な映画「ベン・ハー」は長編なのに長く感じないほど面白かった!
第32回アカデミー賞で、なんと史上最多となる11部門を受賞した映画です!
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、劇映画音楽賞、音響賞、視覚効果賞を受賞しています。
ちなみに11部門受賞というのは、2021年現在、「タイタニック」と「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」と並びオスカー史上最多 受賞作品となっています。
そして、さすがそれだけの非常に面白い作品でした!200分以上(3時間半くらい)ある映画なのですが、観始めたら止まらなくて、結果あっという間に見終わってしまいました(笑)
キリスト教色の強い映画ではありますが、どちらかというと、アレクサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」と同じ感じのする作品だと感じました。
ちなみに原作は、ルー・ウォーレスという人の同題小説で、2021年現在、これまでに少なくとも5回以上も映画化されている人気小説です!
ルー・ウォーレスは作家であり、弁護士であり、州知事で、南北戦争では北軍将軍まで務めたという、これまたスゴイ経歴の持ち主です。
監督は、ウィリアム・ワイラー。
映画「ローマの休日」で有名ですが、実は本作で3度目のアカデミー監督賞 受賞になります。
ちなみに他2作は、映画「ミニヴァー夫人」(1942)と、映画「我等の生涯の最良の年」(1946)ですが、どちらも大好きな映画です。
ということで、ウィリアム・ワイラー監督の代表作は全て大好きな映画だった、ということに気づいた管理人です(笑)
さらに大好きな映画監督のフランク・キャプラ、そしてジョージ・スティーヴンスと3人でリバティ・ピクチャーズという製作会社を設立しました。
ちなみにウィリアム・ワイラーは当時のドイツ、現在のフランスで生まれ、18歳で渡米。
その後、ユニヴァーサル・スタジオの雑用係からキャリアをスタートして小道具係、配役係、助監督と出世し、5年後には映画監督としてデビューを果たします。
実は会社設立者の1人が遠縁の親戚だったということも影響していたといわれています。
アカデミー監督賞へのノミネートがなんと12回と、史上最多の記録を持っている監督です。
主演は、チャールトン・ヘストン。
本作でアカデミー主演男優賞を受賞したチャールトン・ヘストンは、本作以外では映画「猿の惑星」や「地上最大のショー」「十戒」での主演が有名ですね。
意外なところでは、TVドラマ「ダイナスティー」や「The Colbys」にも出演しています。
また、個人的にはハリウッドでは珍しく離婚歴がなく、なんと20歳の時に結婚した妻と自身が亡くなるまで64年間、添い遂げているところに人柄が出ていて好感が持てます。
助演男優賞に輝いたのは、ヒュー・グリフィス。
ヒュー・グリフィスは、イギリス出身の俳優。王立演劇学校で演劇を学び、イギリス映画やアメリカ映画に出演。
代表作は、本作の他に映画「三文オペラ」、「戦艦バウンティ」(1962)、オスカー受賞作品「トム・ジョーンズの華麗な冒険」、オードリ・ヘプバーン「おしゃれ泥棒」などがあります。
使用人を演じたサム・ジャッフェ。
サム・ジャッフェは、ニューヨーク州出身の俳優で、なんとコロンビア大学の大学院を卒業した後、数年間は数学教師をしていたという異色のキャリアを持っています。
24歳頃から舞台俳優としてデビューして、後に映画にも進出。本作の他には映画「恋のページェント」「失はれた地平線」「紳士協定」「アスファルト・ジャングル」「地球の静止する日」などに出演しています。
また、TVドラマ「ベン・ケーシー」(1961〜1966年)にレギュラーとして127話に出演。さらに、TVドラマ「刑事コロンボ」のエピソード『忘れられたスター』にも出演しています。(殺される夫のヘンリー役です)
他にも映画「アラビアのロレンス」にも出演したジャック・ホーキンスがローマ海軍の総司令官役。
主人公の幼馴染で宿敵になってしまった役を演じたスティーヴン・ボイドなどが出演。
また、主人公の母親役は、女優マーサ・スコットが演じました。
マーサ・スコットは、なんと母親が第25回アメリカ合衆国大統領ウィリアム・マッキンリーの親戚にあたるそうです。
舞台からスタートして、映画「我等の町」、「必死の逃亡者」「十戒 」「愛と喝采の日々」などに出演。
TVドラマでは「刑事コロンボ」(『ビデオテープの証言』)、「ダラス」「私立探偵マグナム」「ジェシカおばさんの事件簿」など有名な作品に多数出演しています。
そして、妹役を演じた女優はキャシー・オドネル。
キャシー・オドネルは、やはりオスカー映画である「我等の生涯の最良の年」や、「夜の人々」「ララミーから来た男」そして映画「ミニヴァー夫人」の続編にあたる映画「The Miniver Story」(1950)にも出演しています。
ちなみに本作「ベン・ハー」が最後の出演映画です。
プライベートでは、先ほどの映画「我等の生涯の最良の年」や「ローマの休日」、そして本作「ベン・ハー」などを監督した映画監督のウィリアム・ワイラーのお兄さんである脚本家と結婚しています。
しかし当時、仕事の世話をしてもらっていたプロデューサーのサミュエル・ゴールドウィンは、ウィリアム・ワイラーと対立関係にあったため、この結婚に対してよく思わなかったようで契約を打ち切られてしまいました。女優として引退覚悟の結婚だったのかもしれませんね。
あとジュリアーノ・ジェンマがメッサラの部下の1人としてチョイ役。
ジュリアーノ・ジェンマという俳優さんは、イタリア出身の俳優で、イタリアの西部劇映画のことをよくマカロニ・ウェスタンといいますが、その分野のトップスターだった方です。
若かりし時に本作にエキストラとして出演していたようです。
映画「夕陽の用心棒」に出演したことが特に有名です。
その他、本作「ベン・ハー」では、オープニングとエンドのタイトルバックに、ミケランジェロ作の「アダムの創造」というフレスコ画を使用しています。
こちらの指と指をつけるようなしぐさ、どこかで見たことありません?そう、スピルバーグ監督の映画「E.T.」のポスターでも使われていましたよね。
本作とはあまり関係ありませんが、あれって神様は宇宙人ということを暗示していたのかな〜?
あなたなら、映画「ベン・ハー」を観て、どんな感想を持ちますか?