「カヴァルケード」は不朽の反戦映画でした!
第6回アカデミー賞で作品賞、監督賞、室内装置賞の3部門を受賞した不朽の反戦映画です。
この映画は、なんというか、悲惨な戦場シーンがほとんどない反戦映画です。戦場に出て行った家族を家で待っている女性側の視点が中心なんですね。
だからグロテスクな戦争の恐怖シーンが苦手な方でも観られる映画です。
本作が凄いのは、コメディシーンも盛り込みながら、にもかかわらず、全体的にはやっぱり強烈な反戦映画に仕上がっており、戦争が家庭からいかに幸せな日々を奪いさり、子供を戦死させ、そして憎しみや孤独を増す行為なのかを、わかりやすく描いています。
こういう映画は永遠に生き残ってほしいものですね。本作のように素晴らしい反戦映画がアカデミー賞受賞作品として輝いたという事実は救いですね。
主演は、ダイアナ・ウィンヤードと、クライヴ・ブルック。
夫役のクライヴ・ブルックは映画「上海特急」でマレーネ・ディートリヒと共演したり、映画シャーロック・ホームズシリーズでホームズを演じています。
そして妻役のダイアナ・ウィンヤードは、イギリス出身の女優で、映画「第三の男」や「オリバー!」の監督キャロル・リードと一時期結婚していたことがあります。
オスカー・ワイルドの小説を映画化した「理想の夫」や、英国版映画「ガス燈」(1940)に主演。「ガス燈」は後にアメリカ版としてイングリッド・バーグマン主演でリメイクされました。
ダイアナ・ウィンヤードは本作「カヴァルケード」で惜しくも受賞は逃しましたが、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。
その他にジョン・バリモアと共演した「Reunion in Vienna」や、ジョン・ギールグッドと共演した「The Prime Minister」があります。
ちなみに、ダイアナ・ウィンヤードと、クライヴ・ブルックは、映画「Freedom Radio」(1941)でも共演しています。
監督は、スコットランド出身のフランク・ロイドという人で、映画「情炎の美姫」(1929)と本作の「カヴァルケード」(1933)で2度のアカデミー賞監督賞を受賞しています。
そして、映画「戦艦バウンティ号の叛乱」などもフランク・ロイドです。有名な建築家に同名の方がいらっしゃいますが、そちらとは関係ないですよ。
そうそう、「カヴァルケード」の原作は、ルビッチ監督の映画「生活の設計」の原作などでも有名なノエル・カワードです。
さあ、本作「カヴァルケード」はエレガントな反戦映画です。より多くの人がこの映画を観て戦争のない平和な時代を維持したくなってくれたら嬉しいです。
あなたなら「カヴァルケード」を観て、どんな感想を持ちますか?